読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

とあるカワウソのつぶやき。

四月は君の嘘が大好きなカワウソ。好きな漫画やアニメについて語るブログです。

深夜に出会った人妻と鬼ごっこ?『晴追町には、ひまりさんがいる。はじまりの春は犬を連れた人妻と』

スポンサーリンク

主人公の春近くんが好きになる相手は、いつも人妻。どういうわけか、人妻に惹かれてしまうのだ。

大学二年になったのをきっかけに、一人暮らしを始めたものの、慣れないことだらけ。ずっと眠れない日々が続いていた。どうせ眠れないなら、と深夜の散歩に出かける。

「何やってんだろうな・・・」と溜め息がちに呟いた春近くんのもとへ、「ワン!」と鳴き声をあげて、大きな白い犬がかけてくる。

彼に覆い被さる白い犬に「いけません、有海さん」と声をかけたのは、とろけそうな黒髪の細くて愛らしい女性。その名をひまりさんという。彼女の声は、心地良い、しとやかな感じだ。

彼女がお詫びの品にと差し出したのは恵方巻き。深夜に犬と恵方巻きを持って散歩だなんて、なんだか不思議なお人だ。春近くんは恵方巻きを食べ、彼女と談笑してるうちに考え事をしていて眠れないと悩みを打ち明ける。「どんな考え事でしょう?」と聞かれ、言葉に詰まる。

気を使ったひまりさんは「あ、鬼ごっこでも、いたしませんか?」と突然の提案。深夜に出会った人妻と、犬と春近くんの不思議な鬼ごっこが始まる。五回鬼になったら恥ずかしい話をするという罰ゲームのルール。負けてしまったのは春近くん。

彼が眠れない理由、プライベートな話を初めて会ったひまりさんに打ち明ける。優しく話を聞いていた彼女は、新しい解釈を彼に与えてくれる。「今日からは、立春です」ひまりさんの言葉が、春近くんに新たな春の訪れ、新しい生活のスタートを感じさせる。


別れ際、旦那さんも心配するしと春近くんが彼女を気遣うと、「旦那さまなら、ちゃんとここにいます」と白い犬を紹介するひまりさん。どういうことなんだろう?

しかも、名乗ってないのに「木村春近くん」と春近くんのフルネームを知っている様子。出会いからして、彼女は不思議の塊だ。

晴追町に起こる謎や、優しい人々に触れるうちに、ひまりさんにどんどん惹かれていく春近くん。春近くんの想いは彼女に届くのか。ひまりさんの旦那さんである「有海さん」はどこへ行ってしまったのか。物語が進むにつれ、ひまりさんと有海さんの物語が少しずつ見えてくる。


ひまりさんを始め、晴追町に住む人達の気持ちに触れると、心がほんわか、たまににやにやしてしまう。「人を好きになるっていいなあ」と優しくあたたかな気持ちになれる小説だ。

人妻との恋と聞くと、ドロドロした感じを思い浮かべてしまうかもしれない。だがこの小説に関してはそんなことはない。爽やかな読後感を味わえるはず。心がほんわかしたい人へオススメの一冊です。

スポンサーリンク