「恋より軽く、好意よりも深く。」可憐百景
思わず表紙買いしてしまった「可憐百景」。表紙だけでも買う価値ありだと思う。夜ノヤッターマンや、ばらかもんにかかわったなかやまさんの作品だそう。ものすごく好みの絵!
- 作者: 文野はじめ,なかやま,小椋哲郎,幻夜軌跡,無義歩
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2015/07/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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可憐百景は、恋のはじまりを描いた短編3作。甘酸っぱい恋物語というよりも、これからその物語が始まるような余韻を感じさせる作品になっている。3作どれも個性的で、続きを読みたくなってしまう!
アリかキリギリス
鉄壁のクールな女子大生と、冴えないイベントサークルの男の子の物語。イベントサークルの幹事長を務める尊(たかし)は次のイベントに向けて、目下準備中。忙しいにもかかわらず、準備を進めているのは尊ともうひとり、冷という女の子だけ。
彼女は仕事はできるし、綺麗だけど、感情を表に出さないから近寄りがたい。周りからは「好きなんだけど、友達になれない人というポジションに落ち着いている。
普段はあまり人と話さない冷と会話を続けようとするうちに「もっとみんなが手伝ってくれたら……」と自分の思いをこぼしてしまう。
それを聞いた冷は「わかった」とだけ告げて部室をあとにする。訳も分からない尊だがはたしてどうなることやら……。
読み終わったとき、「そこで終わるんだ!?」と心の中でつぶやいてしまった。ラブコメの波動を感じ始めたと思ったら、終わるんだもの。3つのなかでは、いちばん続きが気になる作品。ただ、冷ちゃん側の掘り下げがもっとほしかったかなーと。
クールな女子大生が見せる強さと弱さ。たまらないですねえ。
つちのこエンカウンター
タイトルのとおり、ツチノコの女の子とのお話。栗色の髪をした女の子が突然裸で部屋に現れたり、豊満な胸を持つ女の子が現れたり、主人公を想う純情な幼馴染がいたり……。
不思議な力で擬人化したツチノコの女の子、ヤエと一つ屋根の下で暮らすことになった兼人。じゃじゃ馬なヤエに振り回される姿が面白くて。ヤエに続いて、可愛がっていた猫のビャクも人の姿になるわ、そのふたりと暮らしているのを幼馴染の里美にバレるわでドタバタ。
ToLoveるみたいなハーレムラブコメって感じですね。
めだかといっしょ
雪月風花は、とある理由から生まれつきコンプレックスを持っている11歳の女の子。周りの友達はノートを取ってあげたり、物を運んであげたり、彼女の世話をあれやこれやとやいてあげている。幼稚園ぶりに生まれ育った街に帰ってきた佐助は、その様子を見て、女王さまのような彼女が気に入らない。
佐助もその輪に加わるよう言われるが、拒絶する。何度拒絶されたって、なぜか風花は佐助にこだわる。素直になれない、素直になりたい小学生の男の子の気持ちを描いた1作。
素直になった先には、素敵な風景が彼を待っているはず。読んでてじれったくなっちゃたけど、小学生の男の子なんて自分が気になってる女の子には素直になれないと相場が決まっているもの。
さくさくっと3作とも読めちゃうので、可愛い女の子が出てくる小説が読みたいならおすすめ。何度も言いますが、表紙だけでも買う価値アリ。
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