とあるカワウソのつぶやき。

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『君の名は。Another Side:Earthbound』感想。本編がさらに味わえる外伝小説!

『君の名は。』が破竹の勢いで、たくさんの人を感動の渦に巻き込んでいる。

公開前に新海監督が書いた小説を読んだときには、こんな大ヒットは想像できなかった。けれど、公開された映画を観て納得。

美しい映像と、緻密に組み上げられたストーリー、RADWIMPSの音楽、キャスト陣の熱演が合わさったときに、これだけ素晴らしい作品ができあがるのだと唸るしかなかったのです。

ただし、『君の名は。』の魅力は、本編だけにとどまらず。新海監督のノベライズ、外伝小説や各種ムック本など挙げればひっきりなし。

『君の名は。Another Side:Earthboud』は、その名のとおり、外伝的な作品でありながら、本編を補完する素晴らしい内容になっているのです。

瀧くん、テッシー、四葉、そして三葉の父・宮水俊樹の視点で語られる物語の数々。本編の場面がフラッシュバックし「この場面の裏には、こんな物語があったのね!」と膝を叩くことが何度あったか。

この本を読めば、もう1回映画が観たくなること間違いなし!本編の小説と合わせてどうぞ。以下、ネタバレ込みの感想になるので、未読の方は注意。

明かされるノーブラ事件の真相「ブラジャーに関する一考察」

第一話は、本編の主人公・瀧くんの視点で物語が進む。瀧くんが三葉の体に入っている間に、どんな出来事があったのかが本編より詳細に描かれている。だいたいおっぱいの話してるよ(誇張)

瀧くんは、三葉と入れ替わったらとりあえず、おっぱい揉んでから一日を始めるみたいなところあるよね。思春期男子なら、みんなおっぱい大好きだものね。いや、思春期に限らずか。まさかその胸揉みに泣かされるとは思いもよらなかったのだけれども。


本編のバスケのシーンで「やたら胸揺れてるな?まさか新海作品で乳揺れ描写があるとは…」と内心戸惑った人もいるのでは。だってしょうがないじゃん、このときの三葉(瀧くん)、ブラつけてねーんだもん。

ブラをつけるために悪戦苦闘する瀧くんの努力が涙ぐましい。これも入れ替わりがなかったら、体験するはずのなかった出来事だよね。

散々、おっぱいやらブラやらの話を続けてきましたが、この物語はそれだけにあらず。

宮水家の一員として振る舞う外面的な三葉と、瀧くんだからこそ知りえた本当の三葉とのギャップ。「三葉はどういう人間なんだろう?」と瀧くんがより彼女に興味惹かれていく姿が印象的でした。

テッシーの地元愛がたまらない「スクラップ・アンド・ビルド」

第二話の主人公は、田舎のマイルドヤンキー・勅使河原克彦。土建屋の息子で、父親と町長の癒着に嫌悪する気持ちはありつつも、糸守町を変えていきたいという彼の想いに心を打たれた。

町から出ていきたい気持ちはあれど、町に根ざした土建屋の息子の立場では、いろんな人に迷惑がかかってしまう。出ていけないのならば、糸守を変えるしかない。魅力のあるものを作っていくしかない。

端材と木材で、オープンカフェを作ろうとしたのも、その一環。本編ではちらっと描かれただけのワンシーンに、テッシーの地元愛と覚悟が隠れていたなんて。彼への好感度がまた一段と上がった物語でした。

次第に見え始める宮水家の物語「アースバウンド」

第三話は、三葉の妹・四葉が主人公。時折、変な風になる姉を心配する彼女に同情せざるをえない。だって、朝起こしにいったら姉が自分のおっぱいもみもみしてるって、違和感バリバリでしょうよ。

幼いながらに、祖母から宮水家やムスビについて聞くも、幼い四葉はまだ理解できない。いずれ成長すれば、理解するときがくるのだろうけど、まだ少し早いようで。神前の申立を彼女なりに、現代風に解釈してたのは可愛い。

そんな四葉ですが、ちょっとした出来心で口噛み酒をちろっと一口舐めたおかげで、祖先の誰かとムスビつき、不思議な体験をすることに。その不思議な体験を通して、祖母を気遣い、姉が大好きと実感するようになる四葉に心がほっこり。

父と母の知られざる物語「あなたが結んだもの」

本編では町長・宮水俊樹だった男が、民俗学者・溝口俊樹であった頃。三葉の母・二葉との出会いが描かれる。凛とした二葉さんと、俊樹に見せる愛らしい二葉さんの魅力に胸がいっぱい。

のちに妻になる素敵な女性との出会い。三葉・四葉が生まれたときのかけがえのない喜び。妻や娘たちと過ごす日々がずっと続いてほしいと、願わずにはいられないのですが…。

愛する妻との別れの日がやってきてしまう。「あるべきようになるから」と語る妻の真意を知るのは、まだずっと先のこと。その別れに納得できず、宮水を恨む神社を飛び出した彼が、町民を動かせる立場にいたこともまた運命で。


どうして隕石が落ちてきた夜に、三葉の説得を素直に俊樹が受け入れたのか。この物語を読めば、納得できるはず。彼の好感度もうなぎのぼりなのです。

そして、もう一度映画が観たくなることうけあい。僕もその一人でした。

映画を見て感動した人は、ぜひとも小説版、外伝小説の触れていってほしいなと。それらの物語が相互に補完しあい、さらなる感動が生まれる。素晴らしい作品の誕生に立ち会えたことを光栄に思います。

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