【3月のライオン】第3話 感想「悔しい涙と、悲しみの涙と。」
3月のライオン 第3話の感想。やっぱり二海堂は、零くんの永遠のライバルですよ!
"勝ち"への執念
零くんのライバル・二海堂晴信との出会いは、うだるように暑い夏の日。デパートの屋上で開催された将棋大会でのこと。負けが濃厚になり、体調もどんどん悪くなるなか、二海堂は必死の抵抗を続ける。
あがいてあがいて、次につながる一手を探すのは、勝ちたいからに他ならない。病気がちな彼にとって、暴れられるのは将棋盤のうえだけ。だからこそ、負けたくないという気持ちが人一倍強いのかもしれない。
「負けました」と心の奥底からひねり出すように呟き、大粒の涙を流す姿に心を打たれる。
「次は絶対に負けない」
時は進み、お互いプロになってから初対局の日。むっちり気合十分な二海堂に笑った。「むっちり」の擬音まで、完璧に再現してるんだもの。別の漫画かて。
対局が進むにつれて、二海堂の顔色はどんどん悪くなっていく。夏の日に冷房効いてないって地獄ですよ。夜まで続いた勝負の結果は、零くんの勝ち。「負けました」と告げる二海堂の姿は、昔とちっとも変わっていない。
「次は絶対負けない」とニンマリする二海堂。
お互いに競い合い、高め合う存在がいるのは、本当に素敵なことだ。勝ち負けを繰り返して、ふたりは高みを目指す。
それにしても、花岡さんの執事っぷりがたまらない…!4話で描かれるだろう彼の気遣いに、さらに期待っ!
傷はまだ癒えていないのだ
対局を終えた零くんが向かうのは、川本家。ちょうど送り盆の日ですね。あかりさんに「おつかれさま」って言ってもらいたいだけの人生だった。ごちそうによだれが止まらない。
送り火を焚いて、母と祖母をお見送り。なぜか「コンビニ行ってくる」と駆け出すひなちゃん。おじいちゃんが零くんを送り出したのは、全部分かってたんだろうなあ。
祖母と母親を失った悲しみが、まだ癒えていないことも。ひなちゃんが、みんなの前で泣くのを我慢してたことも。
川のほとりで大粒の涙を流すひなちゃん。無音になった演出に、一瞬にして引き込まれる。
ナンパ野郎がひなちゃんに近づいたときに、すかさず彼女のそばに行く零くんがかっこいい。零くんが付いてなかったらどうなってたことやら。ナイス気配り!
泣きじゃくるひなちゃんと、黙ってそばにいる零くん。七月の夜空は、ただただ美しい。
しみじみと、しみじみと「良い…」とため息がこぼれるような。原作の雰囲気そのままに、動き、声が加わることで魅力が増している。今週はもらい泣き不可避ですよ、まったく。
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