【四月は君の嘘】第18話 感想「ありがと‥‥ ごぢぇ‥ます」
四月は君の嘘 第18話「心重ねる」感想。結末を知ってから書いているので、ネタバレ注意。愛と涙の連弾回!
幕が上がる
公生と凪の連弾の幕が上がる。
「エロイムエッサイム エロイムエッサイム 我は求め訴えたり」
かをりが呟いていたおまじないを公生が言うのは、胸が熱くなるな。かをりに届け!
演奏される曲は、チャイコフスキー"眠れる森の美女"より「ワルツ」。ゆったりとした響きが会場を包み、入りは順調。
このまま何事もなく進むかと思いきや、有馬公生が本領発揮。サポートのはずの公生がガンガン凪にプレッシャーをかけてくる。テンポが走り出し、主旋律を飲み込み始める。
「上等!」
凪は有馬公生に張り合う。この舞台の主役は、もちろん凪。もう協力というよりは勝負のようで。有馬公生VS相座凪のハイレベルな戦いの幕開け!
有馬公生に食らいつけ!
主旋律が下に移るときに、ちらりと目を合わせる公生。ナイスコンビですよ、彼らは。公生と過ごした2ヶ月間を振り返る凪。寝食も忘れ、ピアノに没頭した日々。凪の努力が実を結ぶ日が、ついにやってきた。
「あの日のようにまた背中を追いかけさせて 私のヒーロー」
凪が演奏を届けたい相手は、兄の武士。彼は、ずっと見えない背中を追ってきた公生の変化にとまどい、スランプ中。悩んで、苦しんで、もがき続けている。そんな姿は見たくない、迷うな、立ち止まるなという凪のメッセージは、武士に届くのか。届け、この想い!
弾く理由なんて 今はそれでいいじゃん
「聴いてくれる人達がいる 聞かせたい人達がいる 大好きな人達がいる」
「だから ここにいたい それではいけないの?」
「弾く理由なんて 今はそれでいいじゃん」
目の前の人達に、自分の音楽を届けたい。誰かのために弾くことを、いつかの凪は「陳腐」と切って捨てたけれど。真摯な想いは確かに届く。届けたい人達に、会場の人達に。
演奏終了後、会場中に歓声が巻き起こり、スタンディングオベーション!凪のもがき続けた数ヶ月が、報われる瞬間が来た。音楽は言葉を超える。もう涙が止まらねえよ……!!
「私はクリスティーヌ オペラ座に憧れる女の子」
オペラ座の怪人"ファントム"から、舞台に憧れる女の子へ。凪の心情の変化がありありと伝わってくる。
武士、覚醒
「俺はなんでここにいるんだ なんで客席で舞台を眺めてるんだ」
「おれはあそこにいる人間じゃないのか?」
階段を登った凪の演奏からメッセージを受け取った武士。演奏終了後、舞台裏に顔を見せる武士。シスコン武士の凪への愛、半端ねえ。
ささいな兄妹喧嘩でやけになり、飛び出す武士。「東日本ピアノコンクールでお前をボコボコにしてやる!」と公生に宣戦布告をし、飛び出していく。その姿は、いつか見た幼少期の武士のようで。
あっけに取られる凪に、公生は「頑張ったね」と優しく声をかける。
「ありがと‥‥ ごぢぇ‥ます」
凪の武士への想いは、1/10、1/100どころじゃない。100%伝わったはず。覚醒した武士の姿は第20話で!
枯れた心に水をくれるのね
病院の屋上で、かをりが「きらきら星」を演奏しているところに現れる公生。「外道」と揶揄される彼は、「心中はできないよ」とかをりに伝える。
いつもいつもかをりの背中を追い続けた公生は、「心中じゃなくて後追いだ」と。公生を突き動かしてきたのはいつだってかをりの後ろ姿。
「だからもう一度チャンスをください 君と肩を並べられるチャンスをください」
「もう一度僕と一緒に弾いてください」
真摯に自分の想いを伝える外道、有馬公生。その言葉は、残酷だけれど美しい。第11話でかをりが公生をガラコンに誘ったときと、立ち位置は一緒。このときはかをりが立ち、公生は座っている。
今度は公生が、「君はどうする?」と、言外でかをりに問いかける。
「君はまた 枯れた心に水をくれるのね」
「公生と一緒に演奏したい」という夢はもう叶ったから、もういいやと投げやりになってしまっていたかをり。
彼女の人生が、また輝き出す。モノトーンな心がカラフルになる。かつてモノトーンだった公生を、かをりがカラフルにしたように。
「欲張りな私は また夢を見ちゃうよ 『君とワルツを』だなんて」
凪の想いが武士に届いたように、公生の想いもかをりにちゃんと届いてる。愛と涙の連弾回、ここに極まれり。
小ネタ集
感動だけじゃない、思わずにやけてしまう小ネタを紹介。
・観客の中にイシグロ監督が!
ちょこちょこ映る観客を眺めていると、見覚えのある姿が。イシグロキョウヘイ監督だ!隣にいるのは愛敬さんかな?監督を始め、製作陣のみなさんが観客として登場しているそう。探してみるのも楽しいかも。やけに老け顔の学生がいるのも気になる。
・凪に嫉妬する椿
凪と公生が舞台に上がった瞬間、「キー」と目を><にして嫉妬する椿の可愛さよ。
・簡単に騙される公生
「藍里」じゃなくて「相座」という凪の嘘をそのまま信用しちゃう公生、ちょろい。鈍感すぎ。
・公生に嫉妬する男たち
演奏終了後、凪の手を取る公生に嫉妬する武士と渡。男の嫉妬は見苦しいぞ!このシーンをフィナーレイベントで、茅野さんが再現してたのは震えた。生で見れて良かった!
・凪に嫉妬する三池くん
公生と連弾した凪に嫉妬する三池くん。この中1コンビの掛け合い、好きだなあ。微笑ましい。彼らの2年後が描かれるCoda.④は必読。こじらせ続けて、学校まで巻き込んだ対立にまで成長してるもんね。Coda.④は円盤7巻に収録!
四月は君の嘘 7 【完全生産限定版】 [Blu-ray]
振り返ってみると、小ネタにも気づけて楽しい。君嘘放映終了1周年の3月19日には間に合いませんでしたが……。3月28日の公生の誕生日に振り返りを終えられるよう、記事を更新していきたいと思います!