とあるカワウソのつぶやき。

四月は君の嘘が大好きなカワウソ。好きな漫画やアニメについて語るブログです。

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『四月は君の嘘 Coda』感想。本編の"その後"が描かれたエピソードもあり!必ず読み返したくなる物語の数々!

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四月は君の嘘 Codaの感想です。未読でネタバレ避けたい方は、購入してからどうぞ。

椿と公生の絆が描かれる「夏の夕暮れ」

公生が初めて演奏した日の前日譚。椿と公生の絆が描かれるエピソード。

紘子さんに誘われて、ピアノの演奏会に出ることになった公生。

ごほうび目当てなのは、あの金髪のライバルと一緒。そんなところにニヤリともしたり。

ピアノだけに向かうという訳でもなく、この頃はまだ友達と遊ぶ時間もあるようす。遊びたい盛りだものね。

特に椿、公生、渡の三人は仲良し!彼らを見守る椿ばーちゃんの優しさよ。そんな優しい椿ばーちゃんは、急にぽっくり亡くなってしまう。

突然の死に戸惑う椿は、彼女を生き返らせるため「命の種」を探しに旅に出る。

公園も、土手も、川も探したけれど、見つかるはずがなくて。ふたりでびーびー泣きながら帰宅することに。

いつも元気な椿が泣くのを初めて見た公生。椿のために、ピアノに打ち込むようになるのがグッとくる。

ついに迎えた演奏会当日。椿に対しての公生のセリフ、小さいながらもかっこよすぎるでしょ!この頃から椿に対しては自然とイケメンなところは変わってないのね。

椿的には大好きだったばーちゃんが亡くなって、公生までいなくなっちゃうんじゃないかって不安な気持ちでいっぱいだったんだろうなと。

大好きだった人が急にいなくなって、心の整理がつけられるほどの年齢じゃない。

椿に元気になってほしい。その想いを胸に、公生は舞台へと向かう。

すべての物語が動き出した「夏の幻」

たくさんの人の運命が決まった公生の初演の日。

冒頭でかをりが友達と写真を撮ってるコマがちらっとあるのだけで泣けてくる。

それを公生が彼女と知らずにぽけーっと眺めてるだけなのだけれど、二人の運命はいちど交わっている。再び彼らが出会うのは、14歳の春。

公生の出番がついにやってきた。緊張でお尻を椅子にぶつけ、会場の笑いを誘う。どうなることやら…と見てるこっちが不安になるが、一音を奏でた途端、メロディは踊り出す。

この演奏は、たったひとりのため。椿のために奏でられたもの。

「ひまわりみたいな椿を いつだって 見つけてあげる」

幼いながらも、ほんと男の子してる。いつも側にいる元気な女の子。今は悲しげな表情を見せる彼女のために、公生はピアノを弾く。

公生の演奏を聞いて笑顔を見せる椿に、心がほっこり。

公生の想いはちゃんと届いてる。言葉以上に、ピアノは想いを伝えてくれる。公生は、初めから音に想いを託すピアニストだったんだ。

椿のための演奏といえば、斉藤先輩にフラれた椿をなぐさめるために「月の光」を演奏していたのを思い出す。

あの時もしっかり男の子してて、最初は何も聞かずにピアノを弾いてたのが公生らしいなって。

「夏の夕暮れ」「夏の幻」はともに椿と公生を掘り下げる素晴らしいエピソードでした。

きっとどれだけ成長しても、距離が離れても、ふたりはお互いを支え合っていくんだろうなと。

絵見の学園生活が垣間見える「秘密結社KKE」

公生のライバルのひとり、絵見が主演のエピソード。

容姿端麗、成績優秀、友人からの評価も高いってどこぞのお嬢様よ。

本編の熱い絵見の印象とはかけ離れてる。確かに、お嬢様っぽい雰囲気はどことなく感じていたけれど。

同じ中学のピアニスト・渡部章くんのとある問いかけに対して、絵見は逆に彼に問いかける。「君は人生を変えられた瞬間がある?」と。

その瞬間を信じたいと、すべてを語らなかったけれど。本編を知っている読者なら、何を指しているのかは一目瞭然。

時は流れて、迎えた毎報コンクールの日。公生が来ないかそわそわする絵見と武士は、ふたりとも可愛いなちくしょう!

すまし顔で公生を迎えた裏側にはこんな一面もあったんだとニヤニヤが止まらない。なんだかんだいって、待ち焦がれた公生が現れたのは嬉しいんだよね。

彼女がどんな演奏を見せたのかは、本編4巻で。Codaから本編につなげる手腕、新川先生さすがです。

ちなみにタイトルの「秘密結社KKE」って何の略なの?という疑問は、ぜひCodaを実際に手を取ってみてほしい。

Eはともかく、ふたつのKなんて想像できるか!と思わずツッコミたくなることうけあい。

成長した三池くんと凪が登場!「2年後」

唯一、四月は君の嘘のその後が描かれるエピソード。

中学3年になった三池くんが公生みたいに、凪がかをりみたく見えるのは、きっと気のせいじゃない。

くる学中1年のチャボこと茶代恵梨香は、くる学祭の伴奏を三池くんに頼まれる。どうしてもくる学祭に立ちたいと願っていた彼女は、誘いを引き受けることに。

どこぞの誰かさんのような高い要求とスパルタな指導に、フラフラになりながらも食らいつくチャボ。その姿は、2年前の凪に少し重なる。

三池くんとチャボは似た者どうし。公生の演奏に心を打ち抜かれた者どうし。人を突き動かす音楽を体現したいという想いで、くる学祭に向けて必死に練習を続ける。

ついに迎えたくる学祭当日!成長した凪が登場。

大人びた彼女には「可愛い」よりも「美しい」という言葉の方が似合う。中身は相変わらずのところもあるようだけれど、それもまた愛嬌があっていい。

凪がチャボにかけたセリフが、紘子さんが凪にかけた言葉によく似ているところにグッときちゃうなあ。

出番が近づき「行こう」とチャボを促す三池君が公生と重なる。

きっと、彼らの演奏に心を撃ち抜かれる人続出だろうな。ふたりに憧れて、くる学に入学する人もいるかもしれない。そんな気がする。

かつてガラコンで、公生の「愛の悲しみ」を聞いたとき、彼のように身も心も捧げてみたいと感じた三池君が目に浮かぶ。

他人からもそう見えるくらい、この2年で成長した三池くんの立派な姿に乾杯!

「2年後」のきっかけとなった公生と凪の連弾回は、本編9巻で。

四月は君の嘘〜side 宮園かをり〜「夏のなごり」

かをりサイドから、四月は君の嘘の物語が描かれる。幼少期のかをりの可愛さと、健気さに泣ける。


カバディだったり、バレエだったり、いろんなものに興味を持って、失くしていく。実はけっこう雑な子だったかをり。そんな彼女が道を一本に絞ったのは、ある夏の日にひとりのピアニストの男の子に出会ったから。

「コーセー君にピアノ弾いてほしいの!!」

願いを叶えるため、5歳のかをりが毎日頑張るのが健気で健気で。ヴァイオリンを目の前にしたかをりの喜びっぷりが半端ない。

「待ってて いつかきっと 君のいる場所に行くから」

公生の背中を追って、かをりがヴァイオリンの練習を重ねてきたことが、はっきりと分かる。

買ってもらったばかりの頃はひどい音しか鳴らなかったけど、素晴らしい演奏を披露できるまでになったのは周知のとおり。

公生を追い続けたかをりが、再び彼と出会うのは、14歳の春。彼女の人生で、最後の春。

かをりと公生が紡いだ物語は、たくさんの人の心に残っている。みんなの心に住んでいる。

Codaを読み終わったあとには、本編が読み返したくなる。そんな物語を紡いでくれた新川先生に感謝。君嘘の世界に、いつまでも、何度でも浸っていたい。

ちなみに、「夏の夕暮れ」「夏の幻」をもとにしたドラマCDがアニメ円盤7巻に、「夏のなごり」のムービーコミックが円盤9巻に特典としてついているので、そちらもぜひ。

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