【3月のライオン】第5話 感想「将棋の神様との契約がもたらしたものは」
3月のライオン 第5話の感想。4話とうって変わって、辛く厳しい回。零くんの過去が明かされる大事な回。
将棋の神様との契約
零くんが、まだ本当の家族のもとにいた頃。いじめられっこで友達のいなかった零くん。内気であんまり自分を出せない子がいるからって、いじめちゃダメ!零くんいい子なのに…。
仕事の忙しい父と過ごすために、苦手な将棋を頑張ってたのが健気で愛くるしい。こんないい子をいじめるなんて、同級生たちはギルティ。
将棋を通じて、今の義父である幸田とも出会うんですよね。すべてのはじまりは、やっぱり将棋にあり。
学校では辛くても、あったかい帰る場所があったことが、どれだけ幸せだったか。でも、零くんは突然の事故で家族を失ってしまう。
家族のお葬式では、親戚連中は家業を誰が継ぐかの話ばっかり。零くんには施設を用意すればいいんだろうと、どうでもいい様子。てめえらの血は何色だァー!
そこへ父の友人である幸田が現れたとき、どれだけ救われたことだろう。血の繋がった親戚たちよりも、よっぽど強いつながりだ。幸田はざっと辺りを見回して、状況を察したのか、零くんに問いかける。
「君は 将棋 好きか?」
この言葉が、すべての物語が動き出したきっかけなんですよね。他に選択肢はなかった。たとえ嘘とはいえ、零くんが生きていくには、「はい」と答えるしかなかった。その選択が、険しく厳しいものになるとしても。
将棋の家の人々との邂逅
幸田家に引き取られた零くんを待っていたのは、同じく棋士を目指す歩と香子。香子の嵐のような激しさは誰ゆずりなのか。一見内気っぽい歩と正反対じゃないですか。幸田も母親もそこまで気が強そうには見えないのに…。
そういえば、香子は4話の回想でちらりと映ってましたね。零くんにまたがっていた美女その人。まさか、義理の姉と…?本当のところは、ふたりにしかわからない。
良くも悪くも、将棋中心の幸田家。父に見てもらうためには、将棋で強くなるしかない。そりゃ歩も香子も、将棋に打ち込む訳だ。
だからこそ、零くんに負けてしまったときの悔しさ、悲しみは測りきれない。ずっとずっと打ち込んできたのに、あっさりと他の家の子供に抜かれ。香子にいたっては、将棋をやめることを父に宣告される。彼女を想ってなのだろうけど、なんて残酷なんだ。
香子の目の色の美しさよ…。
結果、香子は街で遊び回るようになり、歩は引きこもってゲームばかり。
幸田が将棋以外の道を示してあげられたらなあ…。それもプロ棋士である幸田には難しかったんだろうか。
将棋の家で、将棋以外の道を勧めることの残酷さは計り知れないけれど。それだけが人生じゃないと教えていたなら、幸田家の関係は、今よりもずっと良いものだったのかも。
5話でちょうど原作1巻が終わり。ほんわかしたり、悲しくなったり、胸が熱くなったり。様々な面があるからこそ、3月のライオンに心打たれるのだと思います。毎週毎週違う感情が揺さぶられるのが、愛おしい。