『りゅうおうのおしごと!』8巻で供御飯万智と月夜見坂燎がぶつかる!親友同士の熱い対局を見逃すなっ!
『りゅうおうのおしごと』8巻の感想です。7巻から2ヶ月弱のスピード出版!
着飾ったふたりの美しい表紙が目を引きますね。しらび先生、いつも素敵なイラストをありがとうございます!
8巻では、感想戦でお馴染みの月夜見坂さんと供御飯さんが、タイトルをかけて熱い戦いを繰り広げる!
熱いだけでなく、女流棋士としての苦悩も描かれていて、より彼女たちのことが好きになれる巻でした。
アニメ放映中の出版で、過去の特典やガンガンGAで発表された短編を織り混ぜる形となっております。
本編がちょっと短くなってしまうのも仕方ないかなと感じていたのですが、構成の巧みさに驚かされるばかり。過去の短編でさえ、伏線にしてみせるんだもの。
ちなみに、あとがきでも胸を熱くさせることに定評のある白鳥先生は健在でした。末長くお幸せにです。
挑戦者・月夜見坂燎
山城桜花のタイトルに挑む月夜見坂さんにとって、供御飯さんの地元でもある京都の地はアウェイ。
周りの誰もが勝利を望んでいなくて、さらに負ければ終わりと追い込まれた状況。まるで八一の竜王防衛戦のよう。
彼女の感じているプレッシャーを想像するだけで身震いがする。もしかしたら八一がお昼休みに顔を出さなかったらストレートで負けてしまっていたのでは?
あいが着付けがうまく、着物の負担を軽くしてあげられたのもプラスに働いたかな。精神面と肉体面の両方をリラックスして、見違えたかのような将棋を指した彼女に乾杯!
供御飯万智の苦悩
年上のお姉さんと夜の京都をお散歩なんて、何のご褒美ですか?しかもそのお姉さんは美人で巨乳の見知ったおねーさんときた。
8巻ほど八一に嫉妬した巻はないかもしれない。行く手に現れる女性をことごとく夢中にさせる罪な男・九頭竜八一。棋風だけでなく、女性関係もオールラウンダーってか!
鴨川のほとりで供御飯さんと等間隔の一部になって、夜の京都に消えたい人生だった。
冗談はさておき、鴨川で供御飯さんが明かした本音に、切なくならざるを得ない。女流棋士としての苦悩。自らの将棋に価値がないと、切って捨てるセリフに胸を締め付けられる。
将棋は男女の性差が顕著に現れている競技で、りゅうおうのおしごと!はその点にも切り込んだ作品です。
女流棋士ふたりがメインの巻で、彼女たちの置かれている残酷な現実と苦悩を垣間見た気がします。
勝利に懸ける想いがぶつかり合う
1勝1敗で迎えた山城桜花戦・第三局。タイトルがかかった大一番は、誰も予想がつかない展開を見せる!
まさか、月夜見坂さんが穴熊を。穴熊を得意とする供御飯さんがそれを崩しにいく展開になると誰が想像できただろうか。
お互いを信頼して、尊敬しているからこそ相手の戦法を選択する。一番近くで相手を研究し続けてきた者どうしだからこそ実現した、唯一無二の対局ですよ。
やべーよ、やべーよマジで。白鳥先生ありがとうの舞を踊らずにはいられない。
振り返ってみると、自戦記の記述も伏線だったのよね。
普段の一人称が「オレ」が一人称の月夜見坂さんが、文章だと「私」になる。しかも内容的に穴熊に思い入れのある供御飯さんが書いてると思うじゃないですか。(そんなストレートに表現するかな…?とうっすら疑っていたのはここだけの秘密。)
ハプニングが勝負をさらに熱くする
月夜見坂さんと供御飯さんの対局は、熱さを増すばかり。風で駒が飛んでしまうハプニングさえ、対局を彩る演出のよう。
相手の得意戦法を指したのに加えて、駒を使わない目隠し将棋での勝負に突入するとは。いやもうなんか、読み進める手は止まらんし、熱さで胸は踊るし、大変でした。
2巻の特典の脚本を挿入したのも尺的な意味だけじゃなくて、物語の展開を示唆するものにされていたんですよね。
目隠し将棋について読者に印象付けておいたうえで、これ以上ないタイミングで魅せてくれました。嗚呼、熱い…!
勝負後のインタビューと自戦記を読んで、ほろほろと涙がこぼれました。月夜見坂さんも、供御飯さんも、女流棋士として苦悩を抱えながらも、前に進んでいく。
彼女たちにとって、今回の対局は転機になったのではないだろうか。また1年後に山城桜花をかけてぶつかるのは、同じ二人だと信じてやまない。
見目麗しい月夜見坂さんと供御飯さんが着物で対局するという、映像映えしそうな内容だけに、アニメ2期が実現してくれないかなあって。
まだ1期の放送中にこんなことを思うのは贅沢かもしれないけれど、期待せずにはいられない!
9巻で実現するであろう天衣と銀子の対局に胸を馳せながら、締めくくりとさせていただきます。
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