劇場版『はいからさんが通る』後編の感想。逆境でも強く生き、愛を貫く人の美しさよ。
前編の公開から約1年、はいからさんが通るの結末を見届けてきました。奇しくも前編のときと同じく、舞台挨拶の回に参加。
上映前でネタバレは極力なしでしたが、早見沙織さん、宮野真守さん、櫻井孝宏さん、坂本真綾さんから作品のみどころなどをうかがえました。
みなさんのお話のおかげで、期待感がさらに高まって、最高の状態で映画本編に望めたのはありがたいかぎり。
紅緒、伊集院少尉、冬星、環、ラリサ、誰もが自分ではどうしようもない状況にあっても強く生きる姿に心動かされました。
前編を終えて、原作を読んでいたので、大まかな流れは知っていたものの、映像と声の演技が加わると、さらに味わい深い。
紅緒のように、少尉のように、愛する人への想いを貫くような恋をしてみたいなんて思ったりして。
強く生きる人々の姿に、勇気をもらいました。
想い合っていても…
見るのが心苦しかったのは、喫茶店のシーンです。
以前に来たときは、紅緒も少尉も幸せいっぱいだったのに、時間の流れが状況を変えてしまった。
紅緒も少尉も、お互いを想い合っているのに、相手を想うからこそ本音を言えない。言ってしまえば、気持ちを確かめあえる。
けれども、二人を取り巻く状況が、それを許さない。
気持ちとは裏腹に、別れを告げる紅緒の心中を察すると本当に切なくなりました。残酷すぎる。
青江冬星という男
「劇場版 はいからさんが通る 後編 ~花の東京大ロマン~」本予告
後編のキーマンといえば、青江冬星でしょう!まさか彼が少尉の恋敵になるとは予想もしていなかった人も多いのでは?
上司として紅緒に接しているうちに、彼女を好きになり、惚れた女のためなら築きあげた地位さえも捨ててしまう。
櫻井さんの声も相まって、めちゃくちゃかっこいいですよね。惚れてまうやろー!
もし少尉がいなければ、紅緒と結ばれていたのは彼でしょう。でも、少尉がいなければ、紅緒と冬星が出会うことはなかったかもしれない。
少尉と冬星、二人の間で揺れ動く紅緒の想いを見守ることしかできませんでした。一度は冬星に傾いた気持ちが、死の間際になって思い出すのはやっぱり少尉のこと。
紅緒には少尉しかいないのだと、改めて感じたシーンでした。
きっと彼はこれまで以上にバリバリ仕事に打ち込むのだろうけど、いつか彼と寄り添う女性が現れるのを祈る。
幸せいっぱいの大団円!
いくつもの苦難を乗り越え、ついに結ばれた紅緒と少尉。おめでとう、本当におめでとう!
幸せそうな二人を見て、こちらまで幸せな気持ちになりました。
鬼島と環のその後も気になるところですね。きっと満州まで追いかけ、愛する男のハートを射止めていることでしょう。
最後のナレーションがTVアニメ版のよこざわけい子さんだったのも素晴らしい演出ですよね。視聴後の気持ちは晴れやか。
『はいからさんが通る』大団円!
逆境でも強く生き、自らの愛を貫いた紅緒と少尉の姿に、生きる力をもらえた気がします。
もし劇場アニメ版で興味を持った人は、原作にもぜひ触れてほしい。
描かれた当時の漫画ならではの表現や、残念ながら映画では削られてしまったパートにも注目!
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