【HF 第2章感想】衛宮士郎は、桜だけの正義の味方になる。劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel] 」Ⅱ.lost butterfly【ヘブンズフィール】
HF第2章、僕は本当に素晴らしいものを観た。派手なアクションシーンはもちろん、日常の何気ないシーンのひとつひとつにまで目が離せない。
期待していたものを、さらに上回るクオリティで展開されて、感無量です。
1章を観たときも、圧倒的な映像美と演技に虜になったけれど、それをゆうに超えてきた。
この調子でいくと、2020年の春に公開を控える第3章はいったいどうなってしまうんだ…
記事を書いているときも手の震えが止まらない。
こんなのは初めてです。何度だって繰り返し観て、細かいポイントまで味わいつくしたい。
その前に、いったん自分のなかで咀嚼して、心の中を整理しておきます。
桜だけの正義の味方になる
第2章で一番楽しみにしていたシーンを、美しい映像と、キャラに寄り添った演技とで味わえて本当に幸せです。
「私 処女じゃないんですよ」と桜が言うまでに至った気持ちを考えると心苦しくなる。
間桐の家に養子として出されてから10年以上、身も心も汚されてきた桜。ようやく大切な人と出会えたのに、その人すら傷つけてしまった。
守ってもらう価値などないと自分自身を貶めてしまうのも分かる。
そんな桜に「俺は、桜だけの正義の味方になる」と告げて抱きしめる士郎のかっこよさよ。
桜が落とした鍵と一緒に手を握りしめるシーンで泣いた。何なのそのロマンティックさ、かっこよさ…
このまま幸せになってくれ…と願わずにはいられませんでした。これから彼らに待ち受ける厳しい現実を知っていても。
衛宮士郎が今までと違う道を選択した結果、どんな結末を迎えるのかを見守っていきます。
戦闘シーンの迫力が凄まじい
セイバーオルタvsバーサーカーの戦闘シーンの迫力たるやもう、筆舌に尽くしがたい。
両者が激しくぶつかり合って、その度に周りの景色が一変して、サーヴァントの力の強大さをまざまざと感じました。
何度やられても、マスターのイリヤを守るために立ち上がるヘラクレスにグッときた。
バーサーカーだって、めちゃくちゃ強いのに、彼を何度も退けるセイバーオルタの末恐ろしさに震えます。
「エクスカリバー・モルガン」の威力には目を瞠った。周り一面焼け野原…
戦闘シーンも、細かい点までじっくり何度も見返したいです。凄すぎる。
アーチャー…
UBWのときも、アーチャー役の諏訪部順一さんが、士郎に寄せた演技をするシーンが大好きなんです。
HFでもまたその演技を目で、耳で感じて、涙が…
凛の髪を優しくなでる仕草も、イリヤを優しく抱えて下ろすのも、かつて衛宮士郎だった頃の面影を思わせる。
「イリヤスフィール」じゃなくて「イリヤ」と呼んで「最後まで守り通せ」と士郎に告げるシーンはグッときた。
息遣いだけですら、イリヤを気遣っているのが分かって、よりアーチャーへの思い入れが強くなるばかり。
過去の自分はイリヤを守れなかったんだろうな…と。アーチャーの想いは、左腕とともに士郎に託された。
その活躍は第3章で観られることでしょう!
イリヤの雪解け
イリヤ可愛すぎません?士郎の胸に飛び込むシーンとかめちゃくちゃ年相応な女の子に見えました。
ところが切嗣の名前を出したとたん、トーンダウン。二人の関係性を知っている視聴者としては、悲しくなりました。
物語は進んで、終盤に大河と桜が話す場面。
確か映画のオリジナルだったと思うのですが、その会話を通して、切嗣との誤解が解けたのではないか。
大河は大切な人が遠くに行ってしまったからこそ、桜にかけられる言葉がある。同時に、その言葉がイリヤにとっての救いにもなる。
唯一の大河の登場シーンだったものの、HFで重要な役割を果たしてくれました。もっとタイガーが好きになってしまう!
間桐慎二の人間らしさ
慎二を「嫌な奴だな」と思っていた人も、また違った見方ができる第2章だったのではないでしょうか。
間桐家の跡取りとして生まれてきたものの、魔術師としての才能はゼロ。
本当に間桐家を継ぐ者は桜で、そんな家庭環境で育てられたら歪まない訳がない。間桐臓硯、許せん!
才能がなくとも、努力してきた一面が垣間見えるのが、小瓶を手に取るシーン。慎二が持っても、何も起こらないのに、桜が持つと反応してぴかぴか光る。
それを見た瞬間、慎二がギリギリ保っていた線が切れてしまった。彼の目に浮かんだ涙を見ると切なくなる。
見えないところで、もがいてきた慎二の人間らしさ、泥臭さを感じられました。
聖杯戦争の蚊帳の外で、努力を重ねてきたのに、ついに誰からも認められることなく最期を迎えてしまったのが辛い…
今まで感情移入できなかった人も、彼の心情を推し量ることができたのではないかと考えています。
桜はいったいどうなってしまうのか…
士郎や凛、イリヤとの幸せな日常の裏側で、どんどん事態は深刻化していく。
桜の身体は聖杯戦争が終わるのを保たずに、恐ろしい存在が顕現してしまった。
大好きな人と結ばれて、大事な人たちと過ごす居場所があって、でも穏やかに生きることを許してもらえない。
桜の夢のような景色から、ギルガメッシュと向き合うシーンは震え上がりました。
現実の凄惨なシーンをそのまま描くのではなく、イメージ映像にするからこそ、逆に禍々しさが増していたような。
また「言峰綺礼は自分には勝てない」と語ったシーンも、彼女の裏側を見た気がして恐ろしい…
もちろん、桜の恐ろしさだけでなく、魅力も盛りだくさん!
士郎の指を舐めるときのなまめかしさといったらもう!劇場の大画面でなんてものを見せ付けるんだ。ありがとうございます。
そして、ベッドシーンの桜の可愛さとエロさは、今まで見てきた作品のなかでも随一。
多くは語るまい。桜と士郎が心も身体も繋がった瞬間でした。
第3章は2020年の春公開!
EDが終わった後の次回予告で、最終章の公開時期が発表!第3章「spring song」は2020年春公開予定!
spring song、春の歌、桜の歌。
予告で映し出された場面だけでも、どんな物語が待っているのかワクワクする。季節もちょうど春で合わせてきた形。
舞台挨拶で須藤監督が「退路は絶った」とおっしゃっていたので、これから公開に向けて制作がどんどん進んでいくのでしょう。
第2章で高まった期待を、さらに超えた物語を見せてくれると信じています。
原作の複数の展開を盛り込んで、オリジナルのシーンも交えて、また素晴らしい映像作品に仕上げてくださるはず!
また、第2章を終えてから『I beg you』を聴くと、ここまで物語に、キャラに寄り添った歌があるのかと感動。
梶浦由記さんの紡いだ歌詞と曲に、Aimerさんの歌声が乗っかって、心に沁みわたる。名曲がまたひとつ生まれてしまった。
2020年の第3章までに、第1章、第2章を何度も見返して、結末まで見届けるつもりです。
(記事中の画像は劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 Ⅱ.lost butterfly 本予告から引用しました。)
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