【四月は君の嘘】第15話 感想「いてもいなくても一緒なら……」
四月は君の嘘 第15話「うそつき」感想。結末を知ったあとに書いているので、ネタバレ注意。うそつきなのはだあれ?
斉藤先輩の優しさ
「好きな人ができたんだ」と椿に別れを切り出す斉藤先輩。椿と真逆の、ポテチを箸で食べるような先輩を好きになったという。嘘なの丸わかりなんですよ。思わず泣いちゃった椿を見て、「俺は太陽みたいな椿が好きなのに」って心の中で思ってますからね。アニメではカットされちゃってますが。
それでも「ありがとう 椿 俺の彼女になってくれて」と潔く告げた斉藤先輩の優しさよ。椿が自分じゃなくて、公生のことを好きなのは薄々感じてたんだろうなあ。
斉藤先輩の未来に、幸あれ。彼こそもっと幸せになるべきだと思いませんか?椿を忘れられない斉藤先輩のそばにずっと寄り添う女の子がいて、彼女が彼の心を溶かしていく…みたいなスピンオフを読んでみたい。
いてもいなくても一緒なら……
音楽室で寄り添う椿と公生。先輩を傷つけちゃったと涙を流す椿の話を聞きながらも、ピアノを優しく弾き続ける公生。そんな公生を見て、「いてもいなくても一緒じゃん」と椿が言うと、
「いてもいなくても一緒なら 一緒にいるよ 側にいるよ」と返す。泥だんごがダメになっちゃったときに、椿を励ました幼少時の公生と同じ台詞。
「別に優しくしてないよ いつも通りだよ」
幼馴染の椿にはいつも通りのイケメンさを発揮する公生。小さな頃から、椿のそばにいたからこそ言える台詞。この優しさは平常運転、いつも通りなんですよね。公生にとっては。
かつて、公生を見て「時間って止まるのね」と椿は言っていたけれど。かをりのおかげで公生の時間は動き出した。止まっていたのは、「弟」と暗示をかけて自分の気持ちに嘘をついていた椿のほう。
「進め 踏み出せ私 」
「私の時間 動け」
止まっていた椿は、走り出したのです。
凪登場!
かをりのお見舞いをあれこれ理由をつけてためらう公生。カラスや黒猫を見て、不吉な予感がした公生は病院から引き返す。かをりのことになると、途端にうじうじしてしまう公生のヘタレさな。そりゃー好きな女の子に対して臆病になる気持ちもわかりますけどね。
そんな公生のもとに急に飛んでくる水風船!こんにゃく!なぜか足元にはバケツ!なんだなんだと慌てていると、可愛らしい女の子が上から降ってくる。
凪が木から降ってきた。
藍里 凪です
彼女を心配した公生は、紘子さんのお家に凪をお持ち帰り。「オモチカエリってなあに?ハンバーガー?」と無邪気に尋ねる小春ちゃんが可愛すぎる!
目を覚ました凪は「私を弟子にして下さい!」と紘子さんにせがむ。「胡桃ヶ丘中学校 音楽科1年 藍里 凪と申します」あいざと、あいざ…と…どこかで聞いた名前ですね…?
「私をその気にさせてくれない あなたのピアノで」と紘子さんは凪に告げる。
毎報コンクールで公生が弾いたエチュードOp,25-5を演奏。上手いが、どこかトゲのある演奏を見せる。この時点では公生に対抗心バリバリだから、仕方ない。
見事紘子さんに認められた凪は、来週から家に通うように。喜び泣きしてるように見えるけど、嘘泣き用の目薬、見えてる見えてる!それを見て「良かったね」ともらい泣きしてる公生、ちょろいですね。
「公生 あんたが教えてやんな」
ここから、公生と凪の数奇な物語が始まっていく。
夜に食べるカヌレは ほろ苦くて 優しい味がする
カヌレを手に、かをりのお見舞いに来た公生。病室の前まで来たのに、渡とかをりが談笑しているのを聞き、引き返してしまう。じれったい、じれったいよ……。
帰り道、カヌレを猫にあげつつ、たそがれる公生。そんな公生に突然の電話!
「薄情もんがー!」
電話から聞こえてくるのは、最近聞いてなかった、聞きたかったあの子の声。
「なんで!?」
「別に最近 声聞いてないなーと思って」
声聞きたい、会いたいのはお互い同じなんですよね。お互い自分の気持ちを隠してる。嘘をついてる。
今度カヌレを持っていくと約束した公生の呟いた台詞が、ポエミーで良い。
「夜に食べるカヌレは ほろ苦くて 優しい味がする」
立って!! 立ってよ!! 私の足でしょ!!
場面は変わり、かをりサイド。ヌー♪ヌー♪カーヌレー♪と鼻歌を歌いながら病室へ帰ろうとするも、突然倒れてしまう。立ち上がろうとするも、足が動かない。手すりを使って立とうとしても、立てない。
「立って!! 立ってよ!! 私の足でしょ!!」
かをりの悲痛な叫び声が廊下に響き渡る。公生との電話でにやにやしていたら、急転直下、絶望の底に叩き落とされた気分。
リアルタイムで観てたときは、「この先どうなってしまうん?」と本当に心配になったのを覚えてる。多くの視聴者をどんよりした気持ちにさせただろう。かをりの絶望した叫びで話を切るとは……。続きが気になって仕方なかった。
かをりはどうなるのか。突如現れた凪は、物語でどんな役割を果たすのか。物語は終盤に向けて、少しずつ動きだす。
"うそつき"なのは誰?
第15話のタイトルは、「うそつき」。斉藤先輩は、椿のためを想って好きな人ができたと嘘をついた。椿も自分の気持ちに嘘をついていた(やっと自覚したものの)。公生だって、かをりへの気持ちを誤魔化している。自分に嘘をついている。かをりの嘘は言わずもがな。
初登場の凪も嘘をついているわけですが、それが分かるのはもう少しあと。名乗った名前からしてバレバレな気も。
各話につけられたタイトルにそって物語を見てみるのも、楽しいものですね。何回見直しても、また新しい発見がある。君嘘の世界は、奥が深い。