とあるカワウソのつぶやき。

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『結物語』23歳の阿良々木暦が出会う怪異!ガハラさんと交わす、ふたりだけの愛の言葉が美しい。

物語シリーズ最新作『結物語』の感想。「結」は「むすび」と読むんですね。

てっきり「ゆい」かと。「それもまたムスビ」と市原悦子さんの言葉が脳裏に浮かびます。作品は違いますけれど。

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結物語の語り部は、23歳になった阿良々木くん。まさか彼が警察官になるなんて、誰が予想したことだろう。親が警察官だから、ってのはあるかもしれない。

大人になったからか、高校生の頃のような煩悩まみれの姿は見当たらない。ほんのりその兆しが見える程度。彼も大人になったということか。

脇道に逸れる会話シーンが少なかったおかげで、さくさく物語が進んだような気がします。ただし半裸の女性と遭遇する主人公体質は変わらずなので、ご安心を。

全四編の短編連作となった今作では、新キャラに加えて、おなじみのキャラたちも登場!物語シリーズファンなら、読み逃せない必読の一冊です。

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以下、各編の感想です。

相棒は生足魅惑のマーメイド? ぜんかマーメイド

警察官になった阿良々木くんが研修で配属されたのは、直江津署風説課。

怪異譚になる前の風説を取り締まる課だそう。常に怪異とともにいて、意思疎通までこなせる彼にとってぴったりの職場なのでは。天職じゃないですか。

今作の相棒は、とある理由から不死の人魚になってしまった周防全歌(すおうぜんか)さん。阿良々木くんより3つ年上の、頼れるおねーさんであります。

人魚といえば聞こえはいいけれど、実のところそんな都合のいい訳ではないのがなあ…。現実は非情である。

ぜんかマーメイドで登場するゲストは、神原駿河!「阿良々木先輩」と元気よく呼ぶ姿に、懐かしさを覚えずにはいられない。

いちばんびっくりしたのは、彼女の目指している将来。沼地蝋花との一件が関わっているのだろう。地頭のいい神原ならきっと、成し遂げられると確信している。

立派になったものだなあと感心していたら、BL小説は今でも嗜んでると聞いて安心した。根っこは変わってねえ!

川を舞台にした怪異は、周防さんの活躍もあって無事解決。

周防さんが川に飛び込むシーンがアニメ化されたら、ちょっとしたトラウマになりそうな予感。何はともあれ、無事解決して良かった。

「かまいたち」騒動の謎 のぞみゴーレム

周防さんに続く相棒は、兆間臨(きざしまのぞみ)さん。大病で命を落としたものの、祖父母の決死の努力によって、泥人形になり生きながらえた。いわゆるゴーレム。

人形といえば、余接ちゃんを思い出すが、彼女は魂はない。兆間さんは、魂の入った人形なのです。どちらも、よくわかんねえのが正直なところ。

阿良々木くんとふたりで臨むのは、下校中の生徒の制服が切りつけられるという物騒な事件。人間の仕業か、はたまた怪異の兆しか。

のぞみゴーレムのゲストは、忍野扇ちゃん。ラスボス、再び。

阿良々木くんからも、忍野メメの姪っ子としての立場からも離れ、独自の路線を進んでいる。直江津高校で、生徒達にあれこれちょっかいをかけているようです。

今作のオチは、知ってみればなんとあっけないことか。

いつの時代も、人の行為の愚かさは変わらないものよ。ストレスの捌け口にされるほうにとっては、たまったもんじゃない。

羽川さんの登場だぁー! みとめウルフ

満を持して、僕が大ファンな羽川さんの登場です!高校を卒業してから、海外を渡り歩くうちに「和製ジャンヌダルク」と名付けられるほどの活躍を見せた彼女。

ジャンヌダルクとはなんと皮肉な。かつて祭り上げられた彼女は、いつしか危険人物として世界から注目を集められる存在になってしまったのだから。

ぶっとんだ人だとは思っていたけれど、化物級にまでなってしまうとは。傷物語で、阿良々木くんとくんずほぐれつになってた彼女はもういないんだ…。

化物語以降で、そのときの完璧委員長な羽川さんはもういなかったけれど、それはそれ。最近、傷物語の冷血編を見たせいで、どうにも引っ張られているところがありますね。

久しぶりに帰国した羽川さんの目的は、日本から自分の痕跡を完全に抹消すること。

高校生として過ごした街には、彼女の存在は色濃く残っているものね。でも個人でやることの範疇じゃないような…。さすが羽川さんである。

その警護にあたるのは、人狼の末裔である再埼(さいさき)みとめさん。鋼の意思を持つ狼女でございます。

厳重な警備を抜けて、阿良々木くんに会いにきた羽川さんが語ったことは。パジャマ姿で寝ぼけた感じの羽川さん、可愛すぎでしょ!ありがとう、西尾先生。羽川さんを登場させてくれて。

はてさて、彼の前に現れた彼女が本物だったのかどうかが気になるところ。VOFAN先生の挿絵の意味が、最後まで読んで分かったよ。

まさにシュレディンガーの猫。本物か、偽物なのかは50:50。僕は、本物だった説を推しますよ。誰がなんと言おうとも。

阿良々木くんの宝物、羽川さんからもらったプレゼントが世の中から失われたのは惜しい。後生大事に、ずっと阿良々木家で保管されていてほしかったなあ。

交わすのはふたりだけの愛のことば つづらヒューマン

4ヶ月間の風説課での研修も、何事もなく終わろうとしていた。

怪異に遭遇することはないものの、阿良々木くんが立ち向かう大事件。戦場ヶ原さんとの破局問題。通算三度目の破局。お前ら、またかよ…。

タイトルにもなっている甲賀葛(こうがつづら)さんは、風説課唯一の人間。怪異とまったく関わりのないただの人間が、怪異を身に秘めたメンバーを率いるのは、興味深い。

つづらヒューマンのゲストは、老倉育。不憫な生活から脱して、ちゃんと生きていてくれて嬉しいよ…。

あんだけ嫌ってた阿良々木くんとなんやかんやで仲良くしてるのは灌漑深い。仲が良いと言うと少し語弊があるか。腐れ縁って感じ。

物語の終盤では、ガハラさんが帰国。彼女のために、阿良々木くんは海外勤務を決めたのに。嗚呼なんというすれ違い。

交わすのは、ふたりだけの愛のことば。物語シリーズファンなら、グッとくること間違いなし。君の知らない物語の脳内再生余裕ですし。ガハラさんの笑顔、優勝!

結びの言葉としては、申し分ない。オフシーズン、完結です!

巻末では"モンスターシーズン"の第1作『忍物語』の刊行が発表!

物語シリーズはどこまで続いていくのだろう。西尾先生のアイディア溢れる限り、永遠に終わらない気配がある。

僕としては、羽川さんが語り部の物語を渇望しております!羽川さんが主役の物語、どれも好きなんですよねえ。

人間だけど、彼女もある意味モンスターじゃないですか。いけるいける。モンスターシーズンで羽川さんが描かれることを祈って。

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