【四月は君の嘘】第19話 感想「じゃあな‥俺のヒーロー」
四月は君の嘘 第19話「さよなら ヒーロー」感想。結末を知ってから書いているので、ネタバレ注意。
受けたいです 手術
主治医の先生に、手術を受けることを伝えるかをり。病気で投げやりになってしまっていた彼女を、公生の演奏が、交わした約束が突き動かした。「一発ガツンと殴ってやりたい」とくる学祭に出た公生の想いが届いた結果だ!
四月に出会った男の子と同じように、可能性が少しでもあるのならあがいて、あがいて、あがきまくってやる。強い意志を持った宮園かをりが帰ってきた。
かをりの言葉に涙するお母さんの姿を見て、こちらももらい泣き。公生にお礼を伝えるお父さんといい、出番は少ないながらも、印象に残るキャラだよ、ほんとに。
このふたりは、かをりがバイオリンを弾き始めた理由はもちろん知っている。生まれたときからかをりのことを知っている。人生を諦めていた娘が、再び奮起したのを見て、どれだけ嬉しかったことだろう。
Power of Love!!
椿の模試の結果はB判定!「脳筋」と呼ばれていた椿がまさかの!調子に乗る椿に、柏木さんの「愛ね」というツッコむのが秀逸すぎて。音楽に嫉妬する椿に「応援してあげたら」と伝えたのも柏木さん。
椿以上に音楽関連のことを知ってるのは、椿に教えてあげようと調べたのかも。彼女は親友ポジションで、素直になれない椿を支えてくれている。
「差し入れでも持って行ったら有馬君喜ぶだろうね」柏木さんの誘導に乗っかり、公生におにぎりを差し入れに行く椿。健気な子やでえ……。「べ、別に柏木に言われたんじゃんないんだから」と自分に言い訳しちゃうところが可愛い。
部屋に入ると、死んだように眠る公生の姿。来たる東日本ピアノコンクールのために、寝食忘れて練習していたんだろうな。
ぼっさぼさの公生の髪を切ってあげる椿。幼馴染に髪を切ってもらえるなんて、めったにないシチュエーションですよ、まったく。
「結果がどうなるかわからないけど 一生懸命頑張るから」
小さな頃から一緒にいた椿だからこそ、公生をそばに支えられる。椿だからこそ、この言葉を言えたんじゃないかな。
「ほんのちょっとの時間が通り過ぎていく」
「その時間が公生にとっても大切なものであってくれたなら 私は嬉しいな」
椿の正妻感。ほんとに健気!
ものは音楽で語らねーとな
東日本ピアノコンクール当日。武士は、プレッシャーでげっそりしたようす。そんな武士に、公生はたまごサンドを勧める。たまごサンドについて熱く語る公生の勢いに思わず笑みがこぼれてしまう。
武士より前に来ていた絵見とともに、三人でしばしご歓談。噛み合ってないけど、会話が成り立つという不思議な感じ。ほんとに良いライバル関係だよなあ。談笑しているうちに、武士の出番が近づく。
「ものは音楽で語らねーとな」
かっこいい捨ゼリフをふたりに伝え、決別の舞台へ。
俺は幸せだ
力強く、深い演奏を響かせる武士。小さな頃の自分を思い出す。退屈が嫌いで、やんちゃだった武士は、いろんな習い事をしていて、ピアノはそのひとつだった。
そのピアノで、生涯のライバルと出会うことになる。わずか8歳のとき。武士の人生が決まった瞬間だ。切磋琢磨し合い、支え合うライバルたち。ときには悔しさで涙を流したこともある。
それでもピアノをやめなかったのは、自分の全てをぶつけられるから。全身全霊でぶつかれるスゲー奴らがいるから。
「俺は幸せだ」
武士、覚醒!凪のひたむきな想いが、演奏が武士を目覚めさせた。「おかえり、私のヒーロー」と涙ながらにつぶやく凪が愛おしい。
じゃあな‥俺のヒーロー 今までサンキューな
「世界を拡げてくれたのはお前だ」
武士は、いつだって公生の背中を追い続けてきた。公生が蜃気楼のように消えてしまっても、その背中を追い求めて成長してきた。理想とは違う公生の姿に戸惑い、スランプに陥ってしまったけれど。ようやく公生と自分が見たかった景色は違うと気付いた。
「じゃあな‥俺のヒーロー 今までサンキューな」
後追いじゃなく、自分自身の道を突き進み始めた武士。公生、絵見とは一生のライバルであり、仲間であり続けるんだろうな。未来は彼らの手の中に。
「競技者は 敵同士ですら支え合う」という紘子さんの台詞のときに、原作では舞台袖にいるのが公生だけだったのが、絵見も追加されていたのは良改変だったと思う。
物語は終盤にさしかかり、まさかの武士回。メインのふたりだけじゃなくて、他のキャラの成長もしっかり描いているのも君嘘のいいところ。
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