とあるカワウソのつぶやき。

四月は君の嘘が大好きなカワウソ。好きな漫画やアニメについて語るブログです。

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劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』感想。「僕」と「桜良」だけに通じる愛の言葉が美しい。

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『君の膵臓をたべたい』の映画予告を観たときから、絶対泣いちゃうと思ってたら案の定。涙がボロボロ流れて止まりませんでした。

原作を読んだときと同じく、共病文庫のシーンは本当に涙腺がゆるんで仕方ない。映像と音楽と演技とが合わさって、まっすぐ心に刺さりました。

実写版に続き、アニメ版も素晴らしい作品になってます!

ファンはもちろん、アニメが好きで、初めてキミスイに触れる人にもオススメできる一作。できるだけたくさんの人に観てほしい。

正反対のふたり

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人との関わりを避け、本の世界に没頭する「僕」。対照的に、明るくて友達も多い桜良。

「僕」の発する言葉は文学的で、どこか大人びているのに対して、桜良は年相応の高校生らしい。

正反対の二人が"共病文庫"をきっかけに、少しずつ距離を縮めていく。

「僕」が桜良に憧れていたように、桜良もまた彼に憧れていた。お互いにないものを持っていたからこそ、自然と惹かれあったのかもしれない。

二人の関係性は、恋だとか友情だとかではなく、もっと大きなもの。お互いがお互いを大切に思っているのが伝わってきました。

「僕」が桜良にいたずらされて怒ったのも、それをないがしろにするような行動をしてきたからですよね。

誰にも興味のなかった彼のなかで、彼女が大きな存在になっていたのがうかがえます。

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「君の膵臓をたべたい」

二人だけに意味の通じる言葉が、彼らの関係性を表すのにふさわしい。

大切なことは目に見えない

物語のクライマックス、共病文庫のシーンが「僕」と桜良の掛け合いになっていたのが印象的でした。

桜良が「星の王子さま」の世界にいるかのような映像はアニメならでは。現実の世界ではもう会えない二人が、きちんとお別れをできた気がして、グッときました。

「大切なことは目に見えない」と星の王子さまで語られていたのを覚えています。桜良の根底にもその考えがあるのではないでしょうか。

「生きるっていうのは、どういうこと?」と聞かれたときの答えにも表れているように思います。

キャストの演技・音楽がどれもぴったり!

高杉真宙さんの演技が、コミュニケーションを避け、自分の世界にこもっている「僕」にぴったりだと感じました。

高杉さんは声優に初挑戦で、声優らしい演技ではなかった。だからこそ不器用で、桜良と出会い、少しずつ変わっていく「僕」らしさがにじみ出ていたのではないかと思います。

オーディションではなくオファーだったとのことで、抜擢した人も何かしら感じるものがあったのでしょうか。

Lynnさんの演技は、元気いっぱいで、明るく「僕」を引っ張ってくれる桜良そのもの。時に見せる不安な面も含めて、こちらもぴったりだと感じます。

ガム君の「ガムいる?」が出てくるたび、笑わせてもらいました。福島潤さんの別キャラが頭によぎって、もうダメ。

まさか「ガムいる?」が「僕」の変化を表すものになるとは、ガム君もキミスイの立役者です。

まっすぐに感情をぶつけるタイプな恭子を演じたのは藤井ゆきよさん。親友として桜良を想う気持ちが溢れていました。

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ラストで原作とやや違った形だったのが、恭子ととある人との関係を匂わせる良い演出になっていたのではないかと。気づいて思わずニヤリ。

また、節々で流れるsumikaの音楽が、物語をさらに盛り立ててくれていました。

どれも作品に寄り添った曲ばかりで、歌詞を読むとより心に沁みます。ダウンロード不可避。

原作との違い

原作を完全になぞっているのではなく、アニメ版ではいくつか改変がありました。

まず、花火のシーン。音楽も相まって、かなりドラマチックな場面に!花火がめちゃくちゃ綺麗で、二人が心を通わせる瞬間を彩ってくれていました。

ラストのお墓参りのシーンでは、とある人と恭子の関係性を匂わせる形に。きっと、ほとんどの人が気づいて、ニヤけてしまったのではないでしょうか。

アニメを観て、もしまだ原作を読んでない人がいたら、ぜひそちらも触れてほしい。「僕」の呼ばれ方に注目です。

とある作品との共通点

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キミスイは「四月は君の嘘」と共通するものがあると、原作を読んだときから感じていました。アニメを観て、より強くそう思います。

四月は君の嘘は、とある理由からピアノを弾けなくなった有馬公生と、自由奔放なバイオリニスト・宮園かをりが出会うところから、物語は始まります。

青春×音楽×ラブストーリー!アニメ化、実写化もされた人気作です。

灰色だった公生の人生が、かをりとの出会いによって変わっていく。キミスイの「僕」と桜良の関係にどこか似ているように思えてならないのです。

他にも共通点はいくつかあるのですが、すべてを挙げるのはもったいない。

「君の膵臓をたべたい」が好きな人は、ぜひ「四月は君の嘘」を。「四月は君の嘘」が好きな人は、「君の膵臓をたべたい」を。

きっと、どちらのファンにとっても、素敵な出会いになるはずです。

僕がキミスイに出会ったのは、2015年6月。図らずも四月は君の嘘が完結したタイミングで、タイトルと表紙に惹かれたのは、運命なのではなかろうか。

あのとき、本屋さんでキミスイを買うことを選んだ自分に感謝。惜しむらくは、その当時の感想を綴っておかなかったこと。

約3年が経って、アニメという形でキミスイに再び触れられて幸せです。願わくば、たくさんの人のもとに届きますように。

(記事中の画像は劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」本予告から引用しました)

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