とあるカワウソのつぶやき。

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小説『君の名は。』感想「広い世界で、だれかひとりだけを探して」

小説『君の名は。』を読んで、映画がより楽しみになってしまった。あのシーンをどう描くのだろう。音楽との組み合わせは。などなど、どんどん気になる点が湧いてくる。

「『君の名は。』はアニメーション映画という形がいちばん相応しいと思っていた」と新海監督みずからがあとがきで語っているくらいなのだから、期待せずにはいられない。

以下、感想とあらすじを綴っていきますが、ネタバレ注意です!

東京に住む男子高校生・瀧と、山深い田舎町に暮らす女子高校生・三葉は、いつの日からか不思議な夢を見るようになる。

瀧は女子高校生に、三葉は男子高校生に変わって、知らないまちで暮らしている自分がいる。

何度かその夢を繰り返すうちに、お互いが入れ替わっていることに気づくふたり。スマホや日記にメモをする形で、コミュニケーションを始めるのだが、そのやりとりが微笑ましくて。

年頃の高校生ってたわいもないこと、特に恋人の話題になると意地になっちゃうところあるよなあなんて思ったり。

何度も経験していたのに、ある日を境に、入れ替わりがまったく起きなくなってしまう。その原因はある「彗星」にあるのだが…。

入れ替わりが起きなくなってから、もどかしい思いを抱える瀧。彼の視点で進む物語で、とある秘密が明かされたときの衝撃。思わず「マジかよ…」と呟いてしまったよね。

物語のクライマックス、会うはずのない、会えるはずのないふたりが会えたシーンは感動したなあ。

それだけに、ふたりからお互いの記憶が徐々に消えてしまっていくのが惜しい。通じ合ったはずなのに、お互いのことを忘れてしまっていくなんて切なすぎる。

時は流れ流れて、瀧は社会人に。誰かに出逢うために何かを決めたという漠然な想いを胸に、人生をもがいている。たったひとりだけを探して、もがいている。

「あとすこしだけでも、一緒にいたかった。
 もうすこしだけでも、一緒にいたい」

ついにお互いを見つけ、願いを思い出したふたり。探し続けて、やっと逢えたラストシーンの情景が、ありありと頭の中で想像できる。

美しすぎるラストが、胸にグッとくる。早く映像で見たい気持ちを抑えられない!

映画を観る前に読むもよし、観終わってから読むもよし。僕のオススメは小説を読んだ上で映画を見て、また小説に戻ってくるパターン。相互補完的な作品をより楽しめるのではないかと。

作品自体も素敵だけど、新海先生のあとがきが本当に素敵なのだ。ぜひ手に取って読んでみてほしい。

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